soraとoto~走り出したらとまらない~

子供に育てられる、とうちゃんの記録

プロローグ

 

 

 

 

 

家づくりと言う名の海原で、おぼれかけていた僕等がいた

 

 

 

 

 

 

 

「自分たちの家を建てたい」

 

 

 

そう言い出したのは、かあちゃんからだったと思う。

 

 

家族共通の目標ができ、前向きな気持ちになれた。

 

 

家に関して何もわからない二人であったが

 

 

唯一の希望は

 

 

 

「薪ストーブのある家で生活したい。」

 

 

何から始めてよいか分からないまま

 

 

展示場や工務店をまわるが...。

(ログハウス、RC、2×4の家、なかには軒のない真四角の家も見学( ゚Д゚))

 

 

 

 

よくわからないから不安になり、情報を集めるも...。

 

 

 

 

 

疲弊するばかり。

 

 

 

 

いつの間にやら

 

 

 

 

「どんなデザインの家を建てるか。家を建てることが目標」となっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんなある日、ふと立ち寄った小さな町の図書館で一冊の本に目が留まった。

 

 

 

『大工が教えるほんとうの家づくり』 阿保昭則

 

 

 

書籍には長年培われてきた伝統の技術について。

  

伝統の技術を習得できている大工が減少している現状について。

 

 大工の仕事への取組み、施主と向き合う姿勢。

  

予算を管理しながら、施主と協働し創造し形にしていく姿が書かれていた。

 

 

 

 

 

 

料理人として小さな食堂を営んでいた祖父と重なった。

 

 

 

手仕事の大変さ。

 

 

 

だけど、手仕事からしか感じえない温かさ。

 

 

 

 

この本と出合った以後、展示場・工務店まわり・情報集めをやめた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『はじまりの朝の  静かな窓   ゼロになるからだ 充たされてゆけ

 海の彼方には   もう探さない 輝くものは     いつもここに

 わたしのなかに  見つけられたから』    覚知歌子

 

 

 

 

 

 

 

 

「家を建ててどのような生活を営みたいのか」

 

 

改めて自分たち自身と向き合い

 

 

本質に立ち戻ることができた。

 

  

そして私たちの想いに共感してくださる

 

 

職人大工さんと出合えるよう、祈る気持ちで日々を過ごした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

国道19号をはずれ、中山道の急な坂を登る途中

 

 

 

 居酒屋を改修した場所に工房があった。

 

 

 

到着するとドラム缶で焚かれた薪の炎の前で暖をとる

 

 

 

肉付きがよく少しこわもてだが口元がチャーミングな男性と

 

 

 

優しい笑顔の奥に凛とした雰囲気の漂う女性が

 

 

 

僕ら家族を迎えてくれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

ここから僕らと水平屋さんとの家づくりがはじまった。

 

続きはまた次回(始動編)

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